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リザ(, 「ローブ」の意)もしくはオクラド(, 「覆われた」の意、)は、正教会において用いられる、イコンを保護する金属製の覆い〔Colin Harrison, Catherine Casley, Jon Whiteley, ''The Ashmolean Museum: complete illustrated catalogue of paintings'' , Oxford: University of Oxford, 2004, accessed 21 Sep 2009. See St. Nicolas icon〕。ふつう、メッキされるか銀製の金属でレリーフの技術を使った装飾と共に作成される。そこには貴重な宝石や真珠が用いられ、時にはエナメル加工、線条細工、手間のかかった模造品も使われる。 リザの使用はビザンティン美術に起源があるが、ロシア語の術語はしばしばギリシャイコンに適用させられている。ギリシャ語では""(エペンディシ、覆い)との術語がある。 リザの目的はイコンへの崇敬にある。リザにはハリストス(キリスト)や聖人の像が彫り込まれる。蝋燭やオイル・ランプがイコンの前で燃えており、香炉が奉神礼の間に焚かれているため、イコンはいつも黒ずむ。リザはイコンを保護するのに役立つ。 リザはイコンを覆うことに特化してデザインされているが、イコン画の主題として描かれている人物の顔と手、足などはむきだしのままであり、直接みてとることができる。リザの光輪などはイコンそのものより精緻につくられていることもままあり、生神女のイコンにかけられるリザにはしばしば宝冠がつけられ、その衣服にはたいてい真珠や宝石などが飾りつけられている。ふつうリザは肖像の顔と手をのぞいてイコン画の全体を覆ってしまうものだが、特に古いものでは主題となっている人物の光輪だけを覆うものもみられ、そういうものは「ベニェツ」と呼ばれる。また時としてリザはロシア語では「ツァター」と呼ばれるトルクやゴージットとして様式化されたものも含む。 後期ビザンツ帝国のものは特にそうなのだが、そもそもリザをつけることを前提として描かれるイコンもある。つまり、リザで覆われない部分は初めから描かれないのである。 == 語源 == ダーリの辞書によれば、には次のような意味が紹介されている。''イコンを覆う(包む)こと。銀やリザ(金襴)などのオクラトで装飾すること''。オクラドのないイコン画は、''はだかの()聖画像''である。 このイコンの装具は文献によっては「」や「」、「」といった名称も散見される。現在の「オクラド」という言葉の登場は、16世紀を待たねばならない。教会スラブ語である「リザ」もやはり同時代のものである。オクラドがイコンと切り離されてとらえられるということはありえない。イコン画は常に「覆われた聖画像」()なのである〔〕。もともとのオクラドが外され、別のイコンにかけられていたリザに取り替えられたなら、それは「選ばれしオクラド」()と呼ばれる〔〕.。 リザという言葉の語源に関しては、はじめのうちは単にオクラドの一部を表すものとして用いられていたのだが、後にオクラドそのものを指すものとして意味がひろがったといわれている。ファスメル(ダーリとおなじく高名な辞典編纂者)は、「ルバーハ、トリャプカ(どちらも衣服の一種)、リェーザチ(彫刻するの意)」との同族性があるとしている〔〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「リザ (キリスト教)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Riza 」があります。 スポンサード リンク
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